: DXが活性化してきた大きな要因はモバイル端末の多様化・高機能化とそのインフラ環境の整備が急激に発展したことだと考えており、その一方でモバイル端末を活用して成し遂げたい世界の描き方が曖昧であったり、どの程度の時間・コストをかけるのかという部分を従来のITのアプローチでははっきりと描けなかったものと推測しています。

従来の延長で、システムだけを作ってほしいという依頼になってしまい、サービスという提供価値に対してユーザー視点でデザインするという概念がなかったのです。経験のない人たちが考えるので、よく見れば見るほど無理なものが出てくる。加えて、予算規模も小さく、PoCといわれる検証が続いてしまうことが多かったのです。

モンスターラボは創業事業が音楽配信の会社から歩み始め、世の中がスマートフォンへ移行していくことに伴い、アプリ開発へ軸足を移してきた経緯があります。ユーザーとの接点であるUXの設計は切り離すことができないため、デザイン・UXといった分野にもいち早く取り組んできました。

我々はこれまでの経験から、サービスのデザイン、いわゆるUXUIと呼ばれるユーザー視点でのマーケットインアプローチがDXに取り組む際に重要であることを実感していたため、従来の開発アプローチにこの観点が欠けていると気づくことができました。そして昨今の大きなDXの潮流の影響を大きく受け、ビジネス企画や計画をはじめ、UXUIにおけるサービスデザイン、システム開発と運用、そしてデジタルサービスの育成といった支援サービスまでもが当然のように弊社に求められるようになってきましたので、そうしたニーズに合わせて体制を整えた背景があります。

企業全体が取り組む課題となったDXの推進には、これまでのようなテクノロジーマインド寄りの担当者とテスト的な取り組みをすることは少なくなっていくと考えています。モバイルやITに対する知見が少ない経営層に、システムやデジタルサービスが事業にどのように影響を与えていくかをしっかりと理解していただき、長期的な事業改革の一環として取り組む体制を整えることこそが、我々が抱える課題となってきています。ITとビジネスについて理解があるスカイライトとパートナーシップを組むことで、我々が提唱するDXメソドロジーにおけるシステム・サービス・ビジネスの3つの要求をしっかりとつなぎ合わせた活動支援が提供できるようになったと考えています。

平林 : スカイライトは、様々な企業の変革をご支援するなかで経営と現場をつなぐような動き方を得意としています。DXと言われる以前から、経営と業務部門とシステム部門とでは物事の見え方も違うし、用語も違うので、丁寧に コミュニケーションしながら変革の実現に向けて大きな仕組みを作れるように取り組んできました。

近年は新規事業・新サービスの立ち上げをご支援する機会が増えておりますが、DXのテーマではデザインレベルの根本的な変更を伴うことも多く、そうした変化への許容度は人によって異なります。そこにモンスターラボが強みとするサービス開発やデザインといった力を組み合わせ、曖昧な部分をより丁寧なコミュニケーションで具現化することで、経営判断のスピードアップに貢献し、クライアントを取り巻く環境変化に適切に対応していくことができるのではないかと考えています。

: 今、企業が新たなビジネスモデルや事業を検討する上で、従来からあったシステムとビジネスという2軸のみではなく、この間にサービスデザインという軸が加わった3軸をしっかり理解をすることが求められるようになった 認識しています。そして、この3軸を正しく同じ方向で進めるためには、戦略や組織、プロセスや人材といった部分でも対応していかなければならないと考えています。

次ページ) DX時代に求められるDX人材とはDXを通じて実現する未来

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Skylight Consulting Inc.

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