山下 厚 Atsushi Yamashita
スカイライト コンサルティング株式会社 ディレクター
東京大学法学部卒。2009年にスカイライトに参画。主にBtoC企業向けの戦略策定から実行推進までを手掛ける「ビジネス戦略ユニット」の統括責任者。デジタルマーケティングを専門領域として、顧客企業の戦略策定から新規事業・サービス立ち上げまで幅広く支援する。複数企業の協業モデル構築にも実績があり、JV設立や買収案件も数多く手掛け、アジアにおけるマーケット開発をリードする。
丁寧に〝戦略〞を紡ぐプロセスの大切さ
〝戦略〞とは、お客様の企業や事業が目指す未来に向けて必要な羅針盤であり、その策定には、お客様と共に情報を整理していくプロセスが不可欠です。そのプロセスをしっかりと踏むことが大きな成功につながります。過去に新規販売チャネルとしてECサイトを刷新したプロジェクトでは、支援終了後にお客様の事業売上が大きく伸長しました。参画当初は人的リソースが少なく、現状調査にすら手を付けられていませんでしたが、お客様の求める情報を一つ一つ整理し、お悩みを丁寧にドキュメントに落とし込んで課題相互の依存関係をクリアにすることで、プロジェクトは着実に前進していきました。また、担当者へのヒアリングを重ねることで実行したい施策の優先順位が明確になり、お客様が将来挑戦したい事業企画のディスカッションも踏まえて、中長期的な展望までを一本の線でつなげることができました。経営層から担当者までの皆さんとのコミュニケーションを積み重ね、お客様の〝想い〞を汲みとるまで情報を整理する。理論や概念を一方的に示すのではなく、双方向のプロセスをコンサルタントとして力強くも丁寧にリードすることが、本当に求められている〝戦略〞を紡ぐための一番の近道であると考えています。
施策を実行に移すまで〝伴走〞する
〝戦略〞がクリアになってからも、具体的な施策として実行に移す段階でつまずかないようにする必要があります。そのために、お客様の現場にはチームの一員として入り込んで、施策の詳細な検討や悩みの解消に〝伴走〞するスタイルを心掛けています。前述のプロジェクトでも、施策を運用に落とし込む段階で、専門性が必要なツールをお客様側で使いこなせるメンバーが居ないという悩みにぶつかりました。最初は、人員を新しく探すことを相談されましたが、最終的には「ツールの提供会社が操作の研修をしてくれるので、一緒に参加しましょう」とご提案しました。〝戦略〞から施策へのつながりを大切にし、〝戦略〞から考えてきたメンバーに、一気通貫して施策の検討まで担当していただきたかったからです。プロジェクトのオーナーからは「山下さんが隣に居てくれるならば」とお返事を頂き、お客様メンバーと同じテーブルで研修を受講しました。その日から、マニュアルを手に一つ一つ理解を進めることで、一ヶ月も経たないうちに、お客様自身でツールを十分に使いこなせるようになり、現場の運用は回り始めました。「施策レベルになると、細かくて複雑な話へと及び、社内のメンバーから不安の声が上がってくる」という悩みは頻繁に耳にしますし、他のプロジェクトでも数多く直面してきました。その際は必ず、お客様と同じ目線で寄り添って解消につなげていくことを心掛け、〝戦略〞を施策として形にするための後押しをしています。
お客様の〝いい未来〞に寄り添い続ける
昨今の事業環境の変化は著しいですが、お客様と丁寧に紡いだ〝戦略〞こそ、そのような変化にも堪え得るしなやかさを兼ね備えていると考えています。ここ数年、参画を終えたプロジェクトのオーナーから近況の連絡を頂く機会が増えました。お客様自身による多少の軌道修正はあれども、スカイライトがチームの一員として共に策定した〝戦略〞が未来に向かって生き続けているというお言葉を頂くことも多くなっています。また、更なるお客様の発展のために、追加の観点で新たな支援を依頼されるケースも増えてきています。プロジェクト終了後、スカイライトが居ない環境であっても、お客様が〝いい未来〞へと歩み続けて欲しい。その中で新しい悩みが生まれたら、また相談してもらえる存在でありたい。そう強く願いながら、いつでもお客様の期待と信頼に応えることができるように、日々の努力を欠かすことはありません。