溝口 優 Yutaka Mizoguchi
スカイライトコンサルティング株式会社 マネジャー
国内美術ギャラリーにて営業・販売、アーティストマネジメント、企画等を経験した後、2017年にスカイライトコンサルティングに参画。システム導入や業務改革、新規事業立案をはじめ多様なテーマのコンサルティングに従事。自身のバックグラウンドであるアートとコンサルタントとしての経験を掛け合わせることで、社会やクライアント企業に対し新たな価値提供を実現できるサービスの開発や案件の醸成にも取り組んでいる。
ゴールだけでなく過程にもこだわる
コンサルティングを依頼してくださるお客様は、今より良くしたい、課題を解消したいといった理由で、プロジェクトに取り組まれています。私が仕事で最もこだわっていることは、クライアント企業やプロジェクトに関わる人が、変わりたいと願っていらっしゃることを叶えるために、自分が与えられるインパクトを最大化することです。
お客様が望む成果を得るためにプロジェクトゴールを目指しているので、プロジェクトの終了時点での最終成果がどれだけ良いものであったかを指すと捉えることも可能ですが、私は点より線のイメージを持っています。ゴールに向かうまでの営みが、関わる人を通じて、社内外に様々な影響を与えていると思うんです。プロセスの道中から周囲に良いインパクトを与えられたら、ゴールに留まらず、さらに未来に向けても強いインパクトを生み出すことに繋がっていく。そうなるように、時間を過ごしたいと考えています。
また必ずしも、目の前にある課題を解消しさえすればクライアント企業が良くなるわけではなく、問いの立て方や解き方、解いた時の質の高さや美しさによって、結果も全く違ってくると思っています。課題を解いたという事象だけでなく、人の心に響くような力を働かせられるかということを大事にしていきたい。
インパクトには「楽しい」や「嬉しい」といった言葉で表現されるポジティブなものばかりでなく、「うわーそうだったか」や「こんなにダメだったのか」という種類の気づきもあると思います。これからを変えていくための、重要で良質な気づきを与えられたのかが大切で、課題そのものとして明らかになることもあれば、ビジョナリーなイメージとして見えることもあります。
人の集まりを掛け算にするためのチームワーク
私たちの仕事は「ロジカルな」正しさを求められる場面が圧倒的に多いのですが、プロジェクトに関わる人の発言が全体としてはたとえロジカルでなかったとしても、本質を突いた意見や発想であることは意外と多くあります。ロジカルでないものが不正解というわけではない。
より良い成果を出すために、意見はフラットに聞くようにしており、頭ごなしに否定していないか、採り入れることで自分の発想と組み合わせてもっともっと面白くできないか等、相手を尊重しつつ判断するように気をつけています。
インパクトを出すためには、個人ではなくチームワーク、足し算ではなく掛け算です。プロジェクトには何人もの、時には百名を超える人が集まりますが、ただただ足して足して、足りないところに補充してということだと、予定外の創発も生まれなければ、計算以上の成果が生まれることもありません。個性、キャラクターが際立っている人の掛け合わせは、ハマれば想像以上に大きな世界を見られるかもしれない。コンサルタントとしての成果獲得の確度を上げつつ、より大きな成果を狙っていきたい。仕事上でも「個」を大事にしているところがあります。
掛け算には互いに相手を受容することが必要ですが、そのためにはまず自分を知ることだと思います。自分の軸やこだわりを持つことを大事にして、それを起点に一歩踏み出し考えてみることを常に意識しています。
新しいことを創造するプロジェクトでは、事業をよく把握しているクライアント企業の方と侃々諤々の議論をしても、解像度がなかなか上がらず、輪郭すら掴めないようなことがあります。そういった局面で、議論に参加している人みんなが、その場にいるその人だからこそ考えられること、その人だからこそ生まれる発想や刺激を求められていると気づいた経験があります。自分なりにひっかかったことにまず気づき、なぜ気になったのかを探り、プロジェクトに落とし込むためにちゃんと意義のあるストーリーを紡げればそれは一つの筋になるし、紡げなければ、面白いことだったかもしれないけれど、プロジェクトには繋げられないという判断になる。
スカイライトは挙手制でプロジェクトに立候補し、私たちマネジャーがチームを組成する仕組みになっていますが、掛け算になるチームを組成して、未来志向のビジョナリーな探求プロジェクトを実施していけたらと考えています。