STEP2では、進出先での立ち上がりを支援します。顧客の事業が軌道に乗るまでのサポートです。キーとなるのは適切な販売チャネルの選定です。ここでは顧客が扱う商品に応じて、リアルまたはECのチャネルを活用するバランスを最適化します。また、メーカーから商品を仕入れるディストリビューターや、消費者向けに商品を販売する代理店などの提携先を探すことも重要であるため、候補企業のロングリストの作成を支援します。いくつかの条件を設定して絞り込みをかけたショートリストに仕上げることもあります。その上で、提携先候補企業への初回コンタクトから、交渉に至るまでの実行の過程を伴走します。
現地での立ち上げに際しては、「経験不足により、推進できるメンバーがいない」という人材面の課題を抱えている顧客が多いと感じています。このような局面ではTrainingサービスを併せて提供することで、適宜メンバーの育成をサポートします。シンガポールのスタートアップ企業のB社様は、ホスピタリティ領域にてITソリューションを提供されています。ベトナムで、ホテル向けの拡販を志向されていたのですが、「やるべき施策の内容と優先順位が分からず、また人材もいない」と悩まれていました。そこで、当社が販売ターゲットリストの作成からアプローチまでをリードし、人材不足を補う形で現場の各種取り組みをサポートしました。ベトナムで各社が集う展示会イベントが開催された際には、出展していたホテル各社へのアプローチを支援しました。特に興味を持たれた販売先へのデモも当社にて実施。その後、販売先の各社とは当社側で情報交換と関係構築を主導し、獲得したリードを育成する過程までフォローさせていただきました。
STEP3では、進出先での事業拡大を支援します。まずは顧客の現状を分析し、拡大を妨げている課題を特定します。次に、明確化できた課題を踏まえ、売上伸長のキーとなる販売チャネルの強化または拡大を進めます。各チャネルに適したデジタルマーケティング施策やECを活用した拡販施策について、検討から実行までを一貫して支援します。ターゲットとする顧客の属性やニーズを分析し、有効と判断できれば、サービスメニューの拡充を行います。顧客のニーズに合った方法で現地企業との提携を推進します。例えば戦略的業務提携や買収といった方法です。各種施策の実行後は、適切な成果指標を設定した上で成果につながるまでの過程をモニタリングします。その中で、外部環境の変化や顧客の追加要望も考慮しながら、施策の成果を常に最大化できるよう進めていきます。日系の食品会社C社様は、ベトナムに進出後、事業は立ち上がったものの、売上が伸び悩んでおられました。「各チャネルの特性を活かし、即効性のある施策を進めたい」との期待を受けて、各チャネルに適したデジタルマーケティング施策を整理し、実行の優先順位まで明確化しました。特にECサイトでの拡販施策は、EC Consultingサービスの提供を通じて蓄積した知見をもとに、踏み込んだ施策の具体化とその先の実行までをフォローさせていただきました。
幅広いサービスの提供を通じて、顧客に大きく寄り添う
今後の展望としては、コンサルティング以外でも、幅広い領域での事業化およびサービスの提供を志向しています。その筆頭として、まずはスポーツの領域。スポーツは、ベトナムをはじめASEAN全般で昨今のホットトピックとなっています。特にサッカーとバスケットボールは、将来の発展に向けた大きなポテンシャルがあります。日本の各協会をみても、アジア戦略という旗印のもとにスポーツ産業としての発展に注力し始めています。特にベトナムのサッカーは日本から招聘した指導者によるトレーニングの効果もあり、競技面でのレベルアップには目を見張るものがあります。国際大会での代表チームの活躍も日常的に耳にするようになりました。
そうした現状に対して、当社が貢献できるポイントは数多くあります。例えば女子サッカーでは、2023年にベトナムの代表チームがワールドカップに初出場を果たしたにもかかわらず、プロフェッショナルリーグがありません（2024年11月現在）。代表チームの活躍に後押しされる形で、プロリーグ化の構想も現実味を帯びていくと予想されます。その際にはプロリーグ自体の枠組み作りだけではなく、チーム単位での収益化のニーズも増えてくると考えます。既にプロリーグ化されている男子サッカーの方も、チーム単位での収益化という点ではまだ改善の余地があります。「代表チームの試合以外は観戦しない」というサッカーファンも多く、平均観客動員数はまだまだ伸長の余地があります。主要な収益源はスポンサー収入およびチケットやグッズ等の販売収入のため、スポンサーやファンの体験価値の向上をテーマとした支援も考えています。将来を見据え、スポーツ産業の発展が地域や社会全体に良い影響を与えられるように、各スポーツ競技関連のイベント運営の事務局なども担っていければと思います。
