他にも、スタートアップ企業の成長支援もサービス化を検討しています。資金面でのサポートもさることながら、メンバーを提供し、企業の中に入り込む形で成長を加速させていきたいと考えています。欧米やシンガポールの投資家によるベトナム発のスタートアップへの投資の枠組みは、近年活況を呈しています。しかし、事業成長のための中身の検討や人材の育成、さらには投資家への説明まで、創業者側の立場で伴走することのニーズはまだまだ満たされておらず、当社が貢献することで成長を加速できると考えます。また、ベトナムでは優秀な若手層が起業に積極的にチャレンジするトレンドがあります。スカイライトは、日本でのインキュベーションプログラムの実施、国内外でのスタートアップ投資、投資先や新興ビジネスへの人材の供給など、幅広く実績があり、今後そのノウハウをベトナムでも活かせればと考えています。直近の取り組みとしては、ロイヤルメルボルン工科大学(サイゴンサウスキャンパス)内で開催されたインキュベーションコンテストに審査員を派遣し、学生へのビジネス的なアドバイスを行いました。このような取り組みを結実させることで、日本とベトナムを橋渡しする多くのスタートアップが市場を盛り上げていくよう後押ししていきます。
こうした大学との連携は、人材育成関連の取り組みとしても進めています。立命館アジア太平洋大学(APU)からはASEAN出身の学生を受け入れ、3か月間のインターンシップを開催しました。当社のメンバーがフォローする形で、英語で実施しました。顧客向けの提案作りに必要な一連のコンサルティングワークを体験してもらい、将来的に日本での就職にも活かせるような貴重な経験を積んでいただけたと思っています。また、日越大学では複数回のセッションを提供し、学生にコンサルティングの基礎スキルについて理解を深めてもらいました。参加者からは「イシュードリブン、ロジカルシンキング、ロジックツリー等のトピックを深く学ぶことができた」「多面的に問題を捉えて解決していくことの重要性と、実際のアプローチの仕方を理解する貴重な場となった」「プレゼンテーションの練習が実践的であり、質問の仕方まで含めて学びを得ることができた」などのコメントがあり、大変好評でした。こうした大学との連携を継続し、ASEAN出身の学生のキャリア形成を応援していきます。
当社は、コンサルティングサービスに限らず、幅広い領域での価値提供を通じて、ASEANの産業や社会の発展に貢献していきます。事業の拡大や人材の育成を顧客目線で捉えると、管理やコミュニケーションの側面から、複数の会社に別々にお願いすることが望ましくないのは明白です。その意味で、今後は長期的な視野で幅広く支援し、企業の成長に伴走できるプレーヤーが求められていくでしょう。いま求められているものに専門家としての価値を提供することにこだわりつつ、時代の先を照らすような形で様々な事業領域をカバーしていく。そうすることで、顧客が実現したいビジネス、ひいては顧客が支える産業や社会に長く寄り添い続けられる存在でありたいと考えています。