足立 知之 Tomoyuki Adachi
スカイライト コンサルティング マネジャー
2007年、大学卒業後、SIerに入社し、製造業向けERPパッケージの導入に携わる。2011年スカイライト コンサルティングに入社。システム導入プロジェクトの支援を中心に、業務改革、新規事業立案など幅広く従事。2017年より現職。
スカイライト コンサルティングは、2018年6月、富士通株式会社から会社分割されたRUN.EDGE株式会社に出資し、プロスポーツ向け映像検索・分析サービス事業を共同で成長させることとなりました。RUN.EDGE株式会社は現在、日米のプロ野球チームにSaaS型でサービスを提供しており、この拡販と並行して、新たに世界中のサッカーチーム向けのサービスを立ち上げていきます。世界にまだ無いサービスを提供し、急成長することを目指しています。
今回の提携スキームの検討から新会社の立ち上げまでスカイライトチームを率い、現在は新会社のメンバーとして経営管理に従事する弊社シニアマネジャーの足立知之にインタビューを行いました。
-担当したきっかけは?
スカイライトの代表の羽物と富士通の小口さん(当時、富士通で本事業を率いており、現RUN.EDGE株式会社代表取締役社長)とで、会社を切り出し出資して事業成長や価値向上を狙うという話があったんです。これはカーブアウトという手法で、一般的にはノンコア事業の切り出しやポートフォリオの整理に活用されます。今回は、成長ポテンシャルが大きい事業を、より柔軟なスタートアップの経営スタイルで一段と成長させる目的があります。この具体的な検討や交渉の時に、羽物に声をかけられて、スカイライトの検討チームを担当することになりました。私はかねてから、世の中に新しい価値を提供しようとするスタートアップの支援を志向しており、とても良いタイミングでした。
-検討はどのように進めたのですか?
細かいところよりも、まずは成長という目的や価値観の共有です。
世界で見ると、スポーツを取り巻く市場は年々拡大しており、特にスポーツとテクノロジーを組み合わせた「スポーツテック」領域は急成長をしています。もちろんその分、グローバルな競争も激しいわけですが、この機会を掴み、現状でもある程度伸長が見込まれる事業を、一層大きく成長させる。このために何が必要かポイントを整理し、それに対する事業戦略・計画、資本構成、組織体制など具体的なスキーム案を作って、富士通さんとの協議を繰り返していきました。
-検討を進めていく上での、一番のポイントは?
今回の切り出しは富士通さんとしてもこれまでに例がないはじめての取り組みで、特に「なぜ外部資本を受け入れないといけないのか?」という点は、富士通さんの様々な立場の方々と、何度も討議を繰り返しました。実は富士通さんにおいても、顧客やパートナーとのつながりで新しい価値やイノベーションを生みだす「共創(Co-creation)」をテーマとして掲げており、タイミングよく合意となりました。
-新しい会社の経営管理を担当していますが、いかがでしょうか?
スカイライトから私を含めて3名が派遣され、チームでRUN.EDGEの経営管理を担当しています。これは、いわゆるハンズオン型支援で、事業企画、経理・財務、人事組織・総務、マーケティング・営業などなど、ほとんど全てに関わっています。もともとスカイライトのコンサルティングスタイルは顧客に寄り添う伴走型ですが、今回はより一層、文字通り一体となって走っています。
今年(2018年)6月にRUN.EDGEが本格始動してからは、まずは会社立ち上げ、それが一段落したら次のフェーズに向けた投資・資金調達の準備、もちろん並行して事業拡大のための営業・マーケティング支援などなど、やることは日々山積み、そして決断の連続で、コンサルティングの仕事とは違った緊張を感じています。
-最後に、これからについて語ってください。
RUN.EDGEは、自ら当事者となって提案を仕掛け、これまでに無い新しい価値を創っていく挑戦です。まだ始まったばかりですが、様々な方々の想いと情熱の上に成り立っており、必ず成功させたいと思います。
世界にまだ無いサービスだからこそ、分からないことも多い。しかし、これはこれからどの分野でも当てはまること。ピカソが「描こうとするものを知るには、まず描き始めねばならない」と言ったように、自ら前に進み、事業はもちろん、スポーツ業界、ひいては社会をより良く、大きく、そして楽しくしていきたいと考えています。