岡田 泰治 Yasuharu Okada
スカイライト コンサルティング シニアマネジャー
メーカー系大手SIerを経て、2004年にスカイライトに参画。製造・小売業を中心に、幅広い業界で業務改革プロジェクト・IT導入プロジェクトを多数経験。近年は製造業の新設部門の立ち上げおよび業務推進支援も担当。
マネジメント層と現場層双方のコミュニケーションを重視しながら改革テーマを実現可能な形に落とし込み、施策実行までを一気通貫で支援するコンサルティングを得意とする。
-仕事で最も大事にしていること
コンサルティングキャリアの中で特に印象に残っているプロジェクトが2つあります。1つは全社業務分析から業務改革・システム構築を一貫して支援したもの、もう1つは企業統合に伴うPMI案件として業務プロセス・システムの統合を行ったプロジェクトです。どちらも全社的な取り組みとして、プロジェクトの初期から新業務が運用されるタイミングまで、数年にわたってご支援させていただきました。それぞれの過程では非常に多くの困難があったものの、お客様と共に最後までやり切ったという点でとても印象深いプロジェクトになりました。
コンサルタントになったばかりの頃は、「こうすれば良くなる」という提案をきっちりとしっかりと固めるのが何より重要だと考えていました。より正しく、より細かく、原因を分析するとか、提案をロジカルにまとめるとか。もちろん、それが大事な部分であることに変わりはありませんが、今はその施策が “実現すること” を最も大切にしています。
-施策を実行可能な計画に落とし込み、全方位的にコミュニケーションを取りながら施策の”実現”を支援する
施策立案のタイミングでは、正論としてやるべきことを言って終わりではなく、実際にお客様にとって実現可能と思っていただける内容まで落とし込むことを意識しています。改善の方向性は何となく分かっているものの確信が持てない、またそれをどう進めたらよいかがわからないといったご相談を多くいただきます。お客様の「目標」を達成するための具体的な改善箇所と、それをご提案する理由はもちろんのこと、体制・役割・具体的な段取りを含めた「進め方」まで含めてお伝えするよう心掛けています。
施策の実行フェーズにおいては、経営層と現場の方々との密なコミュニケーションが鍵になります。例えばトップダウンの施策では、基本的に現場の方々は従来のやり方を変えたくないと思います。将来的に会社の業績が上がり、自分たちにフィードバックされるかもしれませんが、すぐに成果が出るものではなく、自分達の業務が直接的には改善されず、むしろ業務負荷が上がるケースも多くあります。もちろん、プロジェクト目標はお客様内部でも共有されていますが、意図が正しく伝わっていなかったり、また検討の過程で当初目的に対する意識が希薄になるケースもあります。その場合はまず、経営としてプロジェクトに求めているところ、そのために、このプロセスでこういう入力をしてもらう必要がある、といった内容をご説明します。すると今度は、その情報の精度の低さや、データ入力業務の負荷といった課題が出てくるので、情報の利活用方針や業務プロセスの調整などを行います。「できない」「難しい」背景には必ず理由があります。それをきちんと理解して受け入れることが、時間はかかりますが、とても大切だと考えています。
一方で、「求められている業務変更に対して難しさがある」という現場の方の反応とその具体的な内容を、経営層にも率直にお伝えします。経営層の方は詳細な現場業務まで把握されていないケースも多いですが、全社一丸となって施策を進めるうえでは、現場業務の実態とその改革の難しさを理解していただく必要があります。
先日、1つの大きなプロジェクトが終わりました。本来であれば第三者として俯瞰すべき立場ではありますが、現場業務のかなり深いところまで入り込み、ここまで当事者意識をもって数年間一緒にやってくると、感情移入してしまって、お客様企業の社員のような感情で、嬉しさがこみ上げてきました。
-今後、注力していきたいこと
システム関連のプロジェクトでも、AIやIoT、DXといったキーワードが出てきて、世の中の動きとして、従来のウォーターフォール型のアプローチではない方法で進めるプロジェクトが増えてきています。まずはクイックにやってみる、そのプロセスを繰り返し少しずつ改良していくといった進め方です。よりスピーディかつ柔軟な対応が求められていると感じます。お客様と向き合ってじっくりと進めていくスタンスは継続しつつ、より早期に効果を獲得できるアプローチも取り入れながらプロジェクトを推進したいと思います。