山 田 孝 弘 Takahiro Yamada
スカイライト コンサルティング株式会社 シニアマネジャー
大手SI企業を経て、2008年にスカイライト コンサルティングに参画。 経営課題の特定と解消を専門とし、経営指標の管理強化や営業改革など幅広いテーマに取り組む。 経営課題の特定に際しては、将来構想や足元の課題を踏まえた上で、 その重要度に対する社内コンセンサスを重視し、社内一体となった体制の組成を図る。 ビジネス・業務・技術(システム)の複数視点にまたがった知見の活用と、 共に考え、共に動く力強い伴走力を強みとしている。 また、東北企業の成長支援や福島県での企業帰還支援など、東北発展の一助となるべく、 地域特性を踏まえたプロボノ活動にも従事している。
人の気持ちに誠実でいること
最近、社内のプロジェクトで自分のコンサルティング・スタイルを振り返る機会がありました。そこで分かったことは、私の場合、プロジェクトに対して人がくっついている感覚ではなく、人にプロジェクトがくっついている感覚だということでした。プロジェクトを支えるために人がいるのではなくて、プロジェクトを通してその人を支援していく感覚で仕事をしているというのが分かりました。
お客様に対しても、プロジェクトメンバーに対しても、誠実でありたいと思っています。自分がどうすれば、関わる人たちが満足し、このプロジェクトを通して、成長なり、喜びなり、いい経験、いい仕事だったと感じられるようになれるかを突き詰めたいと思っていて、労働するという感覚よりは、まず、人同士としてよいお付き合いをしたいですね。
プロジェクトの成功という観点で言えば、まずお客様にとって「それが本当に価値のあることなのか」は常に考えるようにします。お客様以上にお客様のことを考えます。その上で、プロジェクトの成果のために人が犠牲になることがないよう、目の前の一人ひとりが今、僕に何をしてほしいだろうか、と考えるようにしています。
プロジェクトのアプローチ
コンサルティングは、積み重ねてきた自分の経験がベースになりますが、プロジェクトは常に新しいテーマになるので、最新の情報を徹底的に調査して臨みます。次に、お客様のところへ行って最初にやることは、まず『聞く』ということです。一言で言うと、いわゆるヒアリングフェーズですが、お客様が話していることをとことん理解するよう努めますし、どうしてそう考えるのかを理解するようにしています。そこから、やるべきことや課題について、テーマを一つずつ作り上げてお客様と共有します。ここがスタートですね。ここまでがうまくいけば、課題解消が容易になっていくので、そのために力を注ぎます。
聞くところ、課題を共有するところで私にとって重要なのは、自分の意見で相手を変えることでもないし、正しいことをやってもらうことでもなく、お客様の気持ちに誠実に共感することだと思っています。話を鵜呑みにするとか、こちら側からは意見をしないということではなく、お互い触発しあいながら、「こういう課題感で、ここを目指していくんですよね」というのを決めますが、お客様が現状に感じている不満や、改善したいのにできないもどかしさに、誠実に共感できるかが重要だと思っています。その感情を大切に拾っていきたい。あくまでも相手の主観は否定したくない。そうなんですね、と。
コンサルティングと東北での活動
プロジェクトの成果と人の両方に誠実でありたいのですが、実際のところ、両方を追求できない場面も多いです。自分の理想を両立させるために、コンサルティング活動の質をより上げていきたいですし、人としても成熟していきたい。
こうやって真面目に話すのは好きではないんです(笑)。基本的に、楽しく仕事するのが一番。だから、人の気持ちを大切にしているんです。たとえ、お客様の上層部への資料だったとしても真面目一辺倒な雰囲気だけを持ち込みたくはない。コロナ禍になって、プロジェクトメンバーやお客様と雑談ができなくなって僕の良さは半減していると思います。好きなお笑いもTVのバラエティ番組も、本も漫画も映画もラジオも、仕事の本質には影響していないと思いますが、私は楽しく仕事したいので、着想を得たり、そういう意味では役立っている気がします。
今後の目標としては、もう一つ、東北地方へも引き続き関わっていきたいです。地方の現実に対して貢献できるような動きを続けていきたいと思っています。なかでも、ものづくりを応援したい。価値あるものが埋もれている現状があります。消費者と作り手をつなぎ、売るための支援をして、ものづくりを追求している企業を表に出すお手伝いができないか、と感じています。